契約書のドラフトとは?作成のメリットとチェック時の注意点を解説

公開日:2024/02/13 最終更新日:2024/10/03
契約書のドラフトとは?作成のメリットとチェック時の注意点を解説

契約書のドラフトとは、契約を締結する前に行われる下書きのことです。あくまで下書きなので後々条件を修正したり、追加したりできるのがメリットです。ドラフトを修正するなかで契約条件の精度が高まっていき、お互いに100%納得したうえで締結できます。そこで本記事では、契約書のドラフトについて解説します。

契約書のドラフトとは?作成する意味・メリットも解説!

契約書のドラフトを作成する意味やメリットについて解説します。

契約書のドラフトとは?

契約書のドラフトとは、本契約を結ぶ前の「下書き」を指す言葉です。契約を締結する前は、お互いに口頭で議論や提案しながら話し合いを進めるのが一般的です。話し合いしたことを下書きとして契約書にすることでお互いの考えが整理されます。

またドラフトは、後々修正することを前提としているため再度協議をし、契約条件に反映させることが可能です。ドラフトを作成することで双方が100%納得したうえで本契約を結べるので、あらゆるビジネスシーンで重宝されています。

ドラフトを作成するメリット1:気軽に修正できる

契約条件を簡単に修正できるのがメリットです。いきなり契約書を書いても条件が間違っていたり、急遽変更になったりした場合に書き直しの手間が増えます。

一方、ドラフトは気軽に修正できる簡易的な書類なので、何度でも納得いくまで修正できるのが特徴です。そのうえ、修正を重ねる中で細かい条件を詰められるので徐々に精度を高められます。

ドラフトを作成するメリット2:上司に確認できる

クライアントと契約について話し合ったあとに、一度自社に持ち帰り上司に確認をとれます。契約書には、自分の判断では決められない内容が盛り込まれることがあるため、上司の合意を求めることが出てきます。

上司や会社の意見を反映させたうえで、再度クライアントと協議できるので後々トラブルになることがありません。また契約書には自社にとってマイナスになる条件を提示されることもあることから、自分だけでなく上司の指示を仰ぐことが大切です。

契約書のドラフトを受け取ったら何をすべき?

契約書のドラフトを受け取ったあとにすべきことは主に3つです。

契約内容の確認

ドラフトを受け取ったら、まずは内容の確認をしてください。条件に対する疑問点や懸念点、抜け漏れなどがないか確認しましょう。内容に不備があったり、追加条件があったりする場合は修正案を検討してください。

契約書には、費用負担や損害賠償などが記されているため不備がないよう注意する必要があります。どのような条件のときに損害賠償が発生するのかなど、詳細に決めておくことで後々のトラブルを避けられます。

また、途中で契約解除する際の理由などもあわせて明確にしておくといいでしょう。

修正・交渉

修正案が決まり、相手方からもドラフトが送られてきたら条件の交渉を進めてください。譲れない条件や妥協案を精査したうえで契約書に反映させていきましょう。お互いの合意のもとドラフトの修正を行います。

契約書に不備がなければ締結

修正箇所に不備がなければ契約書に押印し、締結となります。契約書の締結には上司の判断が必要になる会社もあるので間違えのないよう手続きを進めてください。契約書の締結には、書類に直接押印する場合と、電子署名で締結する場合の2パターンがあるので事前に確認しておきましょう。

契約書のドラフトを修正する方法

契約書のドラフトを修正する方法をお伝えするので参考にしてください。また、修正できないときの対処法もあわせてご紹介します。

変更履歴機能を使う

Wordでドラフトを作成した場合、変更履歴を残せます。変更履歴を残すことで、変更された箇所の色が変わるので、どこを修正したのか一目で分かります。操作は、Wordの校閲タブをクリックし、変更履歴という項目を「オン」にするだけです。

コメント機能の活用

Wordのコメント機能を使って、修正箇所や修正理由を追記できます。どのように変更したいのか具体的に伝えられるため重宝する機能です。操作は、コメントを入れたい箇所にカーソルを置き「校閲タブ」→「コメントの挿入」の準にクリックするとWordの右側にコメント入力できるようになります。

システムの導入

「LegalForce」といった契約書レビューの支援ツールを利用することで、必要条項の抜け漏れがないようサポートしてくれます。ご自身で確認することも重要ですが、ツールを使えばAIが瞬時に判断してくれるため業務の効率化になります。

修正できないときの対処法

ドラフトをPDFで作成しており、ロックがかかっているため修正できないケースがあります。このようなときは相手に連絡し、修正箇所があることを伝えてください。連絡すれば、修正可能なファイルを手配してくれるでしょう。

ドラフトから最終契約書への移行

最終契約書を作成する

契約書作成のプロセスでは、修正箇所があればその都度反映し、最終的な合意内容がすべての関係者に納得される形に整えられるまで繰り返し確認が行われます。合意が得られたら、最終契約書を作成します。

この書類には、すべての合意事項が明確に記載されていることが求められます。とくに注意が必要なのは、曖昧な表現や誤解を招く可能性のある記述がないかどうかです。これらが残っていると、後日、紛争やトラブルが生じるリスクが高まります。

また、契約書に含めるべき重要な要素や条件が漏れていないか、慎重にチェックを行います。契約内容が確定したら、次のステップへと進みます。

契約書の法的拘束力を確認

契約書が法的に有効であるためには、いくつかの要素がそろっている必要があります。まず、契約当事者の情報が正確であることが大前提です。当事者の同意表明や個人情報など、基本情報が間違っていると契約自体が無効となる可能性があります。

次に、契約の目的や内容が明確に記載されているか確認することが必要です。契約の範囲や義務、責任が曖昧だと、後で解釈の違いによる争いが発生するかもしれません。

さらに、契約条件や支払方法、期限などの具体的な取り決めが正確に記載されているかを確認します。これには、契約履行の期限や支払いスケジュール、物品やサービスの納品日など、具体的な期日が含まれます。

加えて、違反した場合の罰則や契約解除の条件についても明記しておくことが望ましいです。これにより、どのような場合に契約が解除されるのか、また違反が発生した際の処置が明確となります。

最終契約書の署名と保管

最終契約書が完成したら、関係者全員が署名を行います。署名は契約の履行を約束する意思表示であり、これがないと契約は成立しません

署名の際には、必ず署名日も記入するようにしましょう。署名が全員の手で正しく行われたら、契約は法的に有効となります。

次に、署名済みの契約書をどのように保管するかが重要です。近年では電子契約が普及しており、電子契約書の場合は信頼性の高いクラウドサービスを利用することで、セキュリティを確保しながら契約書を保管することができます。

まとめ

本記事では、契約書のドラフトについて解説してきました。契約書のドラフトとは、契約を締結する前に行われる下書きのことです。あくまで下書き段階の契約書なので、お互いの意見を交えながら後々修正することが可能です。ドラフトを修正する際は、Wordの変更履歴やコメント機能を使うと、変更箇所や追加理由を相手に伝えられます。契約書は、双方のトラブルを避けるために用いられる重要書類です。円滑にビジネスを進めるためにも契約書のドラフトを活用してください。

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