契約書はいつまで保管するべき?法的な保管期間を詳しく解説

公開日:2024/02/13
契約書はいつまで保管するべき?法的な保管期間を詳しく解説

さまざまな業界で契約書は存在し、将来のトラブルを防ぐためにも厳重に扱わなければなりません。さらに、法的な保管期間が定められているので、正しい知識が必要です。ここでは、契約書の保管について解説をしています。紙面やデータなど、大量に溜まっている場合は整理していきましょう。契約書管理を改善したい企業担当者の方は必見です。

契約書の保管期限はいつまで?

ここでは、基本的な契約書の保管期限を解説します。税務調査が入った場合、正しい管理を求められるので法律をきちんと理解しましょう。

法人税法による保管期限

企業の運営には、法人税法が適用されています。そのため、契約書の取り扱いは法人税法に従うことが必要です。原則として、確定申告期限の翌日から7年間の保存になります。

また、確定申告期限は企業によって異なるので注意しましょう。事業年度の終了日がポイントであり、その日から2カ月以内が確定申告期限です。例えば、決算日が3月31日の場合、確定申告期限は5月末にあたります。

法人税法以外の保管期限

契約書以外に、さまざまな書類に対して保管期限が定められています。書類によって異なる法律が適用されているので、管理を徹底しましょう。例えば、多くの企業で取り扱っている健康保険や厚生年金、雇用保険の書類は、2年が保管期限とされています。

従業員数によっては膨大な量になるので、定期的な確認作業が必要です。また、雇用保険における被保険者の書類は、4年の保管期限となります。似た内容の書類でも、細かく異なるので注意が必要です。

また、保管期限が10年に渡る書類も存在します。仕訳帳や総勘定元帳、貸借対照表や損益計算書が該当します。将来トラブルを回避するために必ず守りましょう。

契約期間による応用

契約が7年以上の期間に及ぶ場合、契約書の保管を工夫しましょう。法人税法による7年間の期限後も、保管することをおすすめします。契約中に改めて内容確認がしたい場合など、いざという時に安心です。

契約書の保管方法は?

契約書は長期に渡り保管が必要です。また、不要な契約書の処理をしやすくするべきでしょう。ここでは、さまざまな保管方法を解説します。企業内で最適な方法を取りいれましょう。

紙面保管

契約書を紙面化して、保管するだけの方法です。簡単にコストをかけずに出来るので、取り入れやすいでしょう。ファイリングを分かりやすくすることで、スムーズに業務が進みます。書類が元から少ない企業は、特に管理しやすい方法です。

しかし、書類が増えてくるとファイリングの手間が生じたり、保管スペースを要します。さらに、書類を探すのに時間がかかります。人件費や賃料に余裕がないときは、デメリットになるので注意が必要です。

また、紛失や破損のリスクも考えられます。原本を失ってしまうので、取り返しがつきません。さらに、紙は経年劣化することもあります。日当たりや湿度により、傷むことを想定しましょう。最悪、重要な箇所が読み取れなくなるかもしれません。

マイクロフィルム保管

マイクロフィルムは、紙面より長期保管が得意です。100年の耐久が可能とされており、10年前後であれば余裕で保管できます。さらに、保管スペースを極力とらないことも魅力です。原本をフィルムに縮小して焼き映しており、最小1/40になります。大量に契約書が発生する場合は管理しやすくなるでしょう。

また、フィルムを改ざんすることは難しく、正しい情報を残せます。しかし、保存環境には注意が必要です。高温多湿に弱く、ひび割れやカビが発生することもあります。換気が充分に出来る部屋を準備しましょう。また、フィルムを見るための拡大機器が必要です。購入費用やメンテナンス費用が発生するので、導入前にきちんと検討しましょう。

また、縮小させる特性上、参照したいものを見つけるまでに時間がかかります。紙面のように、目視で瞬時に判別しにくいことはデメリットです。さらに、フィルムの自体の紛失や破損も気を付けなければなりません。

電子データ保管

大量の契約書が発生する場合は、一番適した方法です。何通でも保管出来るうえに、場所をとりません。また、クラウド上で簡単に検索が出来ます。瞬時に必要な契約書を探せるので業務効率が上がるでしょう。

さらに、バックアップを取っておくことで紛失する危険がなく、物理的な劣化も起きず安心です。しかし、システム導入には多額のコストが発生するので、計画的な予算を立てましょう。さらに、誤操作による情報漏洩の危険性があります。使用するにあたり、トラブルが起きないための業務マニュアルを作ると良いでしょう。

契約書が電子データだった場合の保管方法

電子データの契約書を保管するときは、それぞれルールが存在します。細かいことですが、きちんと把握して運用しましょう。

真実性の証明

電子データの契約書は、そのままデータ保存をしましょう。注意点は、データをプリントアウトして紙面保管をしないことです。電子帳簿保存法上で定められているので守りましょう。

また、保管するにあたり、正確な内容である証明が必要です。そこで、以下の4つから1つを実行しましょう。

1つめに、タイムスタンプの利用です。改ざんされていない証拠になります。

2つめに、保存者やその上席情報の記録です。誰が管理しているかが分かれば悪用の心配がありません。

3つめに、訂正や削除など、操作履歴が残るシステムを使うことです。不審な操作をすぐに発見出来るので、厳重な管理が出来ます。

4つめに、訂正や削除に関するマニュアルを作成することです。訂正や削除を安易に出来なくすることで、信頼出来るデータになります。

可視性の証明

正確な運用がされているか、客観視で分かるようにします。そこで、以下3つのシステムを必ず導入しましょう。

1つめは、パソコンを設置してデータを出力しやすくします。

2つめに、電子計算機処理システムのマニュアル完備です。担当者全員が正しい操作を出来るようにしましょう。

3つめに、検索機能の導入です。日付や取引金額、取引先などの検索で瞬時に探せるようにします。税務調査が入った際に、スムーズに出力するので安心です。行き届いた環境管理によって、正しい運用が可視化されます。

まとめ

契約書の管理には、とても細かい規定があります。改めて、社内で正しい運用がされているかを確認してみましょう。また、契約書作成代行も含め、弁護士に相談すると安心です。契約書に関してのアドバイスを幅広く受けられます。難しい法律を調べる必要がないため、業務効率も上がり心強い存在です。契約書の取り扱いが多い企業は、積極的に契約書作成代行を利用しましょう。正しい運用がスムーズに出来ます。

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