契約書の収入印紙が必要なパターン・不要なパターンを解説

公開日:2024/07/15
契約書の収入印紙が必要なパターン・不要なパターンを解説

企業間の取引や、フリーランスと企業との取引において、契約書を取り交わすことがあるでしょう。その際、契約書に収入印紙が必要なケースも少なくありません。とはいえ、どういうときに必要なのかがわからない方もいるでしょう。そこで、収入印紙が必要な場合や不要な場合を紹介します。

契約書の収入印紙とは?

ビジネスをスムーズに進めるうえで、契約書は重要な存在となります。これまで、新しい取り引きを始めるときなどに、契約書を交わした経験がある方も多いでしょう。

その契約書を交わす際、収入印紙が必要ケースと不要なケースの2パターンがあります。そもそも収入印紙とは、行政業務における手数料や租税を支払うために発行される証票のひとつです。

つまり、契約書に規定の収入印紙を貼るつけることで、納税しているのと同じ効果があるのです。

契約書の収入印紙が必要なパターン

収入印紙を貼付する必要があるのは、印紙税法における別表第一課税物件表に定められる20種類の文書に該当する場合です。とはいえ、実際に契約書を交わすときに要不要を判断しづらいものも多々あり、とくにコンサルティング契約のようなものは、必要かどうかわからない方もいるでしょう。

専門家への相談

実際、該当の契約書に必要かどうか自分で判断できない場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。顧問税理士がいない場合は、スポットで相談できる税理士を探したり、税務署に相談してみたりする方法がおすすめです。税金の専門家である税理士であれば、印紙が必要なケースかどうかをすぐに判断してくれるでしょう。

もちろん、税理士に相談するときは、相談費用がかかることが一般的です。とはいえ、すでに顧問税理士がいる場合は、通常業務として顧問料内で相談に乗ってくれます。

収入印紙の貼付位置

なお、課税対象の契約書を作成した場合、収入印紙を貼る位置について法律上の定めはありません。ただし、一般的には左上の余白部分に貼り付けることが多いでしょう。

とはいえ、左上の余白部分に貼り付けていなくても、該当の文章にさえ貼っていれば、法的には問題ありません。

収入印紙の消印

そのほか、収入印紙には消印を押さなければなりません。そもそも消印とは、収入印紙の上に印鑑を押すことであり、消印によって再利用を防げるのです。

仮に、消印がなければ、契約書から切り取ったり、はがしたりして、ほかの契約書に再利用できてしまいます。そういった不正を未然に防ぐために、消印が必要になるのです。

契約書の収入印紙が不要なパターン

契約書に収入印紙が必要なケースについて解説しましたが、内容によっては不要なときもあります。というのも、収入印紙が必要なのは、あくまでも印紙税において該当の文書のみなのです。

そのため、該当の文書以外については、収入印紙や消印が必要ありません。

非課税となる条件

印紙税法に該当の文書であっても、不要なケースもあります。たとえば、不動産や雇用に関する契約書の場合、契約金額が少ないなどの条件を満たすことで、非課税文書となり、収入印紙を貼り付ける必要がなくなるのです。

個人の買い物や少額取引

スーパーやショッピングセンターなどでの個人の買い物については、収入印紙を貼り付けないケースがほとんどです。というのも、印紙税法では、金銭のやり取りが5万円未満の場合、非課税に該当することから、収入印紙が必要ないのです。

そのほか、単発や短期契約の場合も非課税となるため、必要ありません。

電子契約のメリット

紙媒体ではなく、電子契約の場合も収入印紙を貼り付けなくてもよいです。そのため、昨今は節税目的から、紙媒体の契約書ではなく、電子契約を優先的に取り交わす企業も増えつつあります。

電子契約であれば、印鑑なども不要になるだけでなく、紙を印刷する手間やコストも抑えられることから、一石二鳥といえるでしょう。

電子契約であれば、オンライン上で契約を完結できることから、作業効率を高められるといったメリットがあります。物理的な印鑑や書類を用意する手間を省けるだけでなく、対面での契約書の取り交わしが必要なくなることから、双方の手間と労力を大幅に抑えられるのです。

電子契約ツールの選び方

なお、昨今はさまざまな電子契約ツールが展開されており、サービスによって特徴が異なります。実際の契約で電子契約サービスを使用する場合は、複数のサービスを体験したうえで、自分に合ったサービスを採用しましょう。

サービスによって使用料が異なるのはもちろん、使い勝手にも違いがあることから、いろいろ試してみるべきです。

紙媒体の契約への対応

なお、企業によっては電子契約ではなく、紙媒体での取り交わしにしか対応していない場合もあります。このような場合、契約書に収入印紙を貼る必要があるかどうかの判断が求められるのです。

紙媒体の契約書を作成する場合、契約金額や契約内容に応じて、適切に収入印紙を貼り付け、消印を行う必要があります。

まとめ

企業間の取引やフリーランス同士の取引において、契約書を取り交わすことがあるでしょう。その際、契約書に収入印紙を貼り付けるかどうか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

日本では、法律で、該当の文章に対して収入印紙を貼り付けなければならないとされています。万一、どのようなケースにおいて、貼り付けなければならないかを判断できない場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

なお、昨今は収入印紙が不要な電子契約を推奨している企業も増えつつあることから、そういった方法を採用するのもよいでしょう。

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